GREETING

「兎ノ刻ートノコクー」公演によせて

2011年。

今年ももう半分が過ぎました。
早いのか、遅いのか。
今年は、きっと、一生記憶に残る一年になるにちがいありません。

ひさしぶりの、マダマダムーンの新作は、奇想天外ミステリーです。

わたしが今一番期待する、大好きな役者さんを集めました。
初対面のひともいますが、みんな大好きです。
わかるんです。
波長が合うんです。
この人となら、上手くいくだろう、と、カンが働くんです。
もしかしたら、それは一方的な思いかもしれませんがね・・・。

でも、いいんです。
形のない、ただの妄想を具現化するときには、ある程度の思いこみが必要ですから!

実は、この公演は4月に予定しておりました。
人生最大の衝撃を受けた3・11の大震災。
どうしても冷静に作品を作る心境にならず、延期しました。

いろんな想いが去来しました。
これまで、まったく見てこなかったことに、目を向けるようになりました。
実際、被災地にもいきました。
正直、同じ国で起きたことなのか、と目を疑いました。
わたしたちが生きるということ、そして、今ではなく未来について、深く深く考えるようになりました。
これまで、自分がよしと思っていたことは、ほんの小さなものだったことを実感しました。

そして、少しづつ時間が経ち、余計な感情がそぎ落とされ、
最後に残ったものは、結局、いつまでも面白い作品を作り続けたい、ということでした。

ちょっと不安そうに思える未来。
不安がっていても仕方がない。
結局は、それに負けるのも打破するのも自分でしかないのだから。

今後、わたしたちにどんなことが待ち受けているか分かりません。
のんきに芝居なんかできないかもしれない。
例えそうなったとしても、
しつこく、執念深く、これまで通りの作品を作り続けていこうと思っています。

いつまでもお付き合いくだされば幸いです。


いろんな想いがつまった「兎ノ刻ートノコクー」。

とうぞ、お運びください。

作・演出   スギ  タクミ